【書評】マンガでやさしくわかる NLPコミュニケーション 著者:山崎啓支
「NLPってなんですか?」と問われて、直ぐに答えられる人は、少ないのではないかと思います。
NLPとは? NLP= Neuro(神経) Linguistic(言語) Programming(プログラミング)=神経言語プログラミングの英語の頭文字を取った略称です。
こう言われても、まだピンときませんよね!NLPにしろ、神経言語プログラミングにしろ、どちらも言葉だけでは意味合いが掴めず、とっつきにくい感じを受けます。
そこで、まずNLP自体を説明しますと、NLP=実践的心理学と言われ、始まりは、3人の天才セラピストの言葉使いの法則を徹底的にモデリング(模倣)・研究する事で開発された学問です。
(*セラピストとは「身体・精神的な問題を抱えた方に対し、薬や手術などによらない方法で、治療やケアをおこなう職を指す」:本記事はNETよりNNマイナビコメディカルーセラピストプラスの紹介記事参照。)
そしてこの本からの説明を参照しますと、NLPは「現在ではセラピーだけでなく、ビジネス・教育・スポーツ・芸術とあらゆる分野で実行可能な能力開発体系になっている」との事です。
少しは分かり易くなったでしょうか?
この本の目的は、コミュニケーションにおいて、誰でもつまずく課題を解決する糸口を提供する事に有ります。
そしてこの本では、NLPコミュニケーションをテーマに、天才セラピストの卓越した言葉の使い方のエッセンスを日常で使える様に紹介されています。
あくまでも私見ですが、人生を左右する生きるリテラシーとして、私は人生においてコミュニケーション能力を磨く事は、最重要課題だと位置付けています。(リテラシー:物事 を正確に 理解 し、 活用 できること)
心理学者のアドラーは「全ての悩みは対人関係の悩みである」…と言っております。
私は、この対人関係の悩みはコミュニケーションの巧拙から発生すると考えています。
ゆえに、コミュニケーションの能力を磨く事は人生を左右してしまう最重要課題と考えているのです。
では、NLPのコミュニケーションの教えの良さは何処にあるかというと、言語の抱える「省略・歪曲・一般化」という落とし穴、会話時の話し手・受け手の経験から作られた価値観や思い込みが招くすれ違いなどの心理構造を教えてくれ、それを回避する会話手法を教えてくれる所にあります。
つまり、コミュニケーションの心理学と実践手法を学べる所にあります。
人間関係を良好に保つには、「伝え方」が大切なキーワードなのだと思います。
人間の心理の動き方を知った上で、最も効果的に伝えられる言葉を選択出来る「伝え方」の能力が求められているのです。
「伝え方」が未熟だと、自分の考えている事の真意を伝えられないだけでなく、誤った内容に歪曲されるミスコミュニケーションを引き起こし、人間関係を悪化させる原因を作る事と成り兼ねません。
この本を読んでみると、その事を痛感します。
NLPの内容は、本を読んでだいたい理解出来た。
でも実践で生かす事が出来ずに諦めた。
そういう方が多いそうです。
その点、この本は漫画をはさむ事で、分かり易くかつ実践的に展開出来る様、説明を補完しています。
この本だけだけでなく、一般的に「本を読んだ内容を生かし切れる人は少ない」それが現実と思います。
その点、漫画があると実践の具体的手引きとなり実践し易くなります。
この本を読み、実践を試みようとする人は、是非とも漫画を読んでその実践のイメージをつかんで欲しいと思います。
NLPは、心を扱う心理学をベースとするやや難しい所のある内容なので、学び、導入するのに手間取ると思います。
でも難しいからこそ、それを手に入れた時の見返りはすごく多きな物になる。…そう確信しています。
「伝え方」を学び・進化させ、自分を理解して頂く力や人を動かす力を手に入れ、結果として良好な人間関係を築き、想いを遂げる。
そんな人物に慣れる様、あなたもNLPにチャレンジしてみませんか?
「人は一人では生きていけない」と言われています。
それは、人の協力を得る力を持つ事が必要だ。
という事を示唆しています。
そして、その力はコミュニケーション能力にある。
そう、私は考えています。
2021年9月5日記
本の明細
著書名:マンガでやさしくわかる NLPコミュニケーション
著者名:山崎啓支
発行所:日本能率協会マネジメントセンター
第1刷発行日:2013年2月10日
定価:1500円+税