【書評】瞬時に切り返す会話術 著者:赤羽雄二

やはり、多くの人が集まった会議で質問された時「瞬時に切り返し、質問者が納得する返答ができる人」はカッコ良いですよね。
多くの人が、憧れを抱いていると思います。
自分にとっては大変残念な事ではありますが、正直に言うと、私もそういう憧れを持つ方の一人です。

日本の会議では、瞬時に切り返す以前になるべく会議で発言しないで済む様、目立たない様にし、自分が指名されない様におとなしくしている人が多いのではないでしょうか?
あなたは、会議で自分から進んで発言できていますか?
受けた質問に瞬時に切り返しが出来ていますか?

この本の著者は、かの有名な外国企業マッキンゼーで14年間第一線で活躍した人です。
著者曰く、外国企業では「発言しない人は不要な人」と評価されるとの事です。
そういう人は、会議に呼ばれる事が無くなる企業もあるそうです。
年功序列が崩れ、能力主義が主流になったこの日本でも、同じことがすでに起きているのではないかと思います。

それは、人の評価が長く勤めている事で評価される時代から、「どういう価値を企業にもたらす事が出来るか」で評価される時代に変わった事を意味しています。
「時代が、受動的人間から価値を生む能動的人間への変身を要請している」と考えねばなりません。

その流れの中で人の力が最も際立つのは、会議の場です。
特に発言を要請される時にしっかりと自分の意見を言えるか、そして質問を受けた際に”さすが”という答えが言えるかどうかで、その人の評価が大きく左右されます。
会議の場でどのようなパフォーマンスを発揮出来るかを人は見ているし、その結果で人の価値は値踏みされているのです。
打ち合わせや会議などで発言する内容やその受け答えで人の評価が決まって行く、そんな時代になったという事です。

では、そのパフォーマンス力はどうしたら身に付くのか?
その答えを、著者はこの本で語っています。

その答えの主な内容というのは、
①深い考えを持つという事が基本だという事です。
それは日常で起きる事や仕事で起きる事など全てに対し、表面的でなく本質を掴むべく深掘りをし、結果として全てに対し自分の意見を持つ事です。
意見を持つと、会議で立ち往生する事なく瞬時に返答する事が出来る。
そしてその方法論として、本書ではA4「ゼロ秒思考メモ」を提唱しています。

②次に会議開催前に「発言予定メモ」を作り、事前準備するというメソッドです。
事前準備の大切さに関しては、私も最初の会社を定年退職した後、次の会社の就職面接時で経験しました。
それは面接前に質疑応答表を作る事でしたが、事前準備する事で受けた質問に淀みなく自分の意見を言え、その甲斐もあり合格し就職出来たという成功体験が有ります。
読者の皆様にもこの「発言予定メモ」メソッドは、会議に臨む際の強力な味方になってくれると思います。

上記①~②以外にも全41項目に渡り会話術を身に付ける為のノウハウが披露されています。
さすが一流外資系企業で活躍した人が実践してきた思考内容と、手応えを感じました。


簡単では有りませんが、この本に書いてある内容を実践し継続出来れば、自信も付き、組織内の評価は上がるだろうと感じました。
何故、上手く会話表現が出来ないのだろう?
どうすれば会議で存在感を出すことが出来るのだろう?
とお悩みの方にお勧め出来る1冊です。

どんな事でも人の納得のいく説明をするのは難しいですよね!
だからこそ「全てに自分の意見を持つ」自分になる。
遠い道だけど、それが近道なのでしょうね!

2021年5月16日記

本の明細
著書名:瞬時に切り返す会話術
著者名:赤羽雄二
発行所:㈱インプレス
第1刷発行日:2021年4月11日
定価:980円

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