【書評】東大思考 著者:西岡壱成 

この本と若い頃に出会っていれば、人生が変わったかもしれない!
この本を読んで、そういう残念な思いを持ちました。

最高学府「東大」に入る人は選ばれた人で、とにかく才能を持って生まれた人達。
自分とは違う世界に住む人達、そういう想いが有りました。
でも、その考えは少し違っていたのかも知れない。
この本を読んでそう感じました。

この本に提示されている思考回路に気付き、それを身に付け実践を積み重ねた人達が東大に来られたのかも知れない?
著者が言う様に、そんな風にこの本を読んで感じました。

自分でこの思考回路に沿って実際に生きてみて結果を報告したいのですが、それは時間的に無理なので諦めますが、そう思うぐらいこの本の提示している内容に興味を抱きました。

何が一番刺さったかというと、「この世で見える事は、全て結果のみ」という言葉です。
それは、「目の前の情報は全て表側の情報のみ」で、「大切な真実・本質は隠されている」という事を意味します。
つまり本質は隠されており、その本質を見つけないと「この世の中の本当の姿が見えない」という事になります。

この本では、隠された真実・本質に迫る行為を「日常の解像度を高める」と表現しています。
それは、結果を手掛かりとしその結果への解像度を上げる事で、見えていない物事の発生した原因・背景・意味など全体の本質を把握する。
その結果、「目に見える結果という事実」という単なる情報が「応用可能な知識に変換」され、かつ記憶し易く収納し易い形となり「地頭力」が高まる事にも繋がって行く。

この思考回路を書き換える方法として、5つの思考方法がその実施メソッドと共に提示されています。
ちなみにその内容は「原因思考、上流思考、目的思考、裏側思考、本質思考」という思考方法です。
この思考方法を身に付ける事により、結果では見えてこない「原因、上流、目的、裏側、本質」を見つけ出せ、結果の意味する事を把握出来る様になります。

見えている結果と隠されている本質が結ぶ付くと、あなたの話す言葉には重みと説得力が生まれ、人を動かすものになるでしょう。
その結果、周りのあなたを見る目も変える事が出来るし、より信頼も獲得できると思います。

自分の意見は軽い、深みがない、説得力がない、とお悩みの人にはお勧め出来ます。
又、これから知識を身に付けるお子様をお持ちの方にも、是非一度この本に目を通し、エキスを吸収し、お子様に伝えて欲しい思考方法と感じています。

この本の提示する思考メソッドの実践は、決してやさしい事ではないと思いますが、この思考法を身に付ければその報酬は大きい物になると思います。
具体例や練習問題が豊富に取り揃えられていますので、是非チャレンジしてみて下さい。

新しい考え方に出会うのは楽しい!
そう思える本でした。
2021年4月25日記

本の明細
著書名:「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考
著者名:西岡壱成
発行所:東洋経済新報社
第1刷発行日:2020年8月13日
定価:1500円+税

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