【書評】検索から生成へ 生成AIによるパラダイムシフトの行方 著者:清水亮

 皆さま、お元気でしょうか?久しぶりの投稿と成ります。
最新の投稿が、昨年の9月14日の書評投稿でしたので、約7か月ぶりと成ってしまいました。
余りも長い休暇の様ですが、「細くても長く」で続けて行くつもりなので、今後とも宜しくお願い致します。

 生成AIについては、昨年の6月にも「書評」を書きましたので、読んだ本は違いますが、二度目の書評と成ります。前回の書評の時点では、まだ使い始めで、主に検索の便利版として使い始めた段階でした。

 生成AIの使用者としては、私はほんの初心者の段階ですが、やはり、その便利さに魅了されています。少なくとも従来行っていたNET検索は、生成AIの使用にほぼ100%置き換わりました。使い方としては、「BINGは友人」と言う感覚で、「友人に相談を掛ける」というイメージで問い掛けて、使用しています。

 とにかく生成AIは生産性が良く、スピーディーなのです。今までの検索とは違い、検索の際「どんな言葉を入れると効果的かな?」なんて考えず、今知りたい疑問や質問をそのままストレートに、親しい友人に声を掛ける様に生成AIにぶつければ良いので、ストレスが有りません。そしてその反応も、検索の様に出て来た候補を読み込む必要が無く、直接の答えとして表示されるので、生産性が良いのです。

 この生産性が上がる理由を、著者の分析を踏まえて説明すると次の様になります。
簡単な調査を除いて、従来検索の工程は「①検索のキーワードを考える、②検索を掛ける、③検索で得たサイトを幾つも読む、④その結果と調査内容との関係を分析する。⑤要望に対しての自分なりの結論を導く。⑥結論が導き出せない時は新しいキーワードを考えて再検索する」と工程が多い上、簡単な質問を除いてほとんどの場合、最終的な答えととして表示される事は有りません。あくまでも、答えを導き出すのは自分なのです。

 そんな従来の検索キーワード思考から始まる一連の「検索6工程アクション」のやり方に比較し、生成AIでは、従来の6工程の中間工程が全て省かれ、「質問する→戻った答えを確認する」…という2アクションのみの工程で答えを得る事が出来ます。だから大幅な省エネとなるのです。しかもその回答は、「答えとしての形」で返ってくるのですから、1人で悶々と悩みながら答えを出す従来方式に比較し、AIと言う仲間と対話し出す形となるので、質的にも圧倒的な品質アップが図れるのです。

 生成AIは、自らのソフト内にNETの膨大な情報を取り込んでいます。そして、受けた指示に対しソフト内のサイト情報を検索し、最適なサイトを選択し、その答えを要約して一瞬の内に答えを出すことが出来ます。だから、生成AIはその高効率の生産性のみならず、膨大な情報を背景に吟味し回答するAIからアウトプットされる答えは、時間的に制約される人間の回答よりも、内容的にも高品質となるのです。…でも、まだまだ生成AIソフトも発展途上で、読み込んでいる情報から答えを導き出しているので、そもそも読み込んだ情報が正しくない場合もあるので、生成AIの答えも危うさが有ります。だから現時点では、「全面的に信用できない場合が有る」事を注意しなければなりません。

 ただ、要注意では有りますが、生成AIは「圧倒的な高生産性、高品質」な答えを、「2アクションで提示してくれる」のだから、使わない方が可笑しい、と私は考えています。私流に言えば、スピード・品質の上がる検索から生成AIへの手段転換は「”必然”の流れ」、という風に捉えています。
もし、読者の方で、まだ使用していない方がいるならば、即座に試す事をおススメ致します。

 尚、私の生成AIの最近の使い道としては、画像生成に多く利用しています。その生成画像の利用方法としては、トイレのドアの内側に生成画像を飾り、画像を基本週に1回、新しい画像を作り、交換しながら(家族と共に?)楽しんでおります。

 実は、プロンプトで画像生成が出来るこの技術は、私にはとてもありがたい技術です。ブログを書いていると、「文章だけでは気持ち伝える事が難しい」と感じる事が多々ありました。でも、挿絵を挿入したくても、私には「絵を描く才能もが有りません」。だから、イラストを描ける才能を持つ人が羨ましくてなりませんでした。

 だから、プロンプトでイラストや画像を作れるこの生成AIは、私にとっては救世主が現れたようなものです。まだまだ、使いこなせるレベルにはほど遠い現状ですが、手の内に入れられ様、トライを続けています。

 こうして生成AIを使い始めて来ましたが、最近は生成AIの能力が、仕事のやり方を根底から変えていくポテンシャルを持っている事に気付かされています。最近における私にとっての生成AIの存在は、単なる知りたい事を探す技術以上の存在に成っております。生成AIを使う際は、博識な友人に相談を掛けるイメージ(君はこの事をどう思う?という様な問い掛けのイメージ)で生成AIに問い掛け、チャットする様になっています

 そうです、私にとって生成AIは単なるソフト以上の存在で有り、まるで「”自分”株式会社の優秀な仲間であり、相談相手であり、貴重なスタッフ」の様な感じになっているのです。

 この本によれば、日常生活における生成AIの活用の仕方は三つあるとの事です。それは「コミュニケーション生成、エンターテイメント生成、プランニング生成」に使えるとの事です。内容は下記の通りです。

①コミュニケーション生成:相手にメッセージを送りたい時は、文面を考えなくても伝えたい希望を直接生成AIに伝えれば、文面を作ってくれる。
②:エンターテインメント生成:例えば、「三国志みたいな話」がもっと読みたい!と指示すれば、話を生成してくれる。
③:プランニング生成:週末の過ごし方や旅行の計画、勉強の計画など、自分の為のガイドブックを作ってくれる。

 生成AIで私が着目している所は、このソフトの活用で自分が現在持っている能力以上の事が出来る所に有ります。「自分が出来るのはこんな所まで」と、人は自分の能力を既定の枠で捉えがちで、一見能力以上と判断すると諦めてしまいがちです。でも、生成AIを使えば、自分の能力以上の成果を上げる事が出来るのです(例:自分には描けないと思っていたイラストを作ることが出来る等)。

 実は今年の年度目標として、私は「自分の思考の枠を広げ、人生を面白くさせる!」と言うテーマを掲げています。この目標が生まれた理由は、「人生を振り返ってみると、どうも退屈な人生だったかも!」と感じた事に有ります。

 そして、なぜ退屈なのか?と考えた時、原因として思い付いたのが、『出来上がっている「今ある環境や今ある条件」=「既存の思考枠内」でしか生きてないから』という答えです。

 私は、自分の思考の枠が、成果の枠(楽しさの枠)を作り上げていると感じているのです。だから「楽しもうと考えるなら、既存の思考の枠を広げる事」が必要となります。ただ、「思考の枠を広げるには、どうすれば出来るのか?」と言う問題が有りました。

 その問題に対処する答えが生成AIであり、生成AIは『「人の能力の枠を広げる」と言う意味合いで開発された』ものと、私は感じています。ですから、一見取っ付き難いと思える生成AIですが、自分の仕事能力開発の為には、手の内に入れる事が「必須事項」である。…と私は感じております。

 たぶん、仕事のやり方を根底から変えてしまうであろうポテンシャルがある。…と私は感じております。毛嫌いする事なく、出来るだけ早くから生成AIと付き合い始めて行かないと、気付いた時には置き去りにされており、「使えない人」と認定されてしまう。…と私は危惧します。

 生成AIは、いま沢山の人が、その持つポテンシャルを活かすべく研究を重ねているので、進化中です。注視していないと、「気が付いた時には取り残されている」という恐れを感じます。

いま私が生成AIの登場で感じている事は、「我々の仕事の進め方の習慣は、転換”を要請されている」という事です。

 私がイメージする生成AIと人間との関係は、『問題を探し、解決を指示し、提案された幾つかの対処案の中から選択するのが「人間の仕事」』。『問題解決の為に、情報を集め、問題を分析し、原因を分析し、対策案を出すのは「生成AIの仕事」』という住み分けです。

 この生成AIの部分は、従来、人がやっていました。それをAIに任せるという事です。
この住み分けを大雑把に言うと、「考える人(=人間)、と実行する人(=生成AI)」と言う関係に成ります。組織風に言えば、「人間=考え・指示する人=上司の様な役割、生成AI=指示を実行し、答えを生成する役割=部下の様な役割」の様な関係ですね!

 正直な所、多くの人がこの部下の役割相当部分に多くの仕事時間を投入していたと思います。それを代替してくれるのが生成AIです。そして、一瞬で答えを出してしまう生成AIのスピード・質的な能力を考えると、生成AIを使えるかどうかが、「組織人として、仕事が出来る人と出来ない人を分けて行く」事が容易に想像できます。

 重ねて言いたいと思います。生成AIはこれからの仕事には、絶対必要とされる必需品です。いまだ使った事のない人は、直ぐ使い始めましょう。今使っている人は、生成AIの進化の状況に大いに注視しましょう。そして、出来るだけ仕事で多く使い、手の内に入れてしまいましょう!

 生成AIは、最先端を行く技術であり、可能性を多く含んでいる技術と感じています。どんどん変化し、姿を変えたり、膨らんだりして行くものだと思います。

皆さま!この技術を使いこなして下さい。そして、くれぐれも周りに遅れない様にして下さいね!

 上の画像は、生成AIで描いた画像「タイトル:議論で熱く成った男女」です。
画を描くのが、からきしダメな自分にとって、生成AIで画像が作れるのは、本当にありがたい技術です。
プロンプトで画を描けるようになり、私の表現の枠が、大いに広がった気がします。
もし、画が描けないとお悩みの方で、トライした事のない人は、是非ともトライしてみて下さいね!

2024年4月9日記

本の明細
著書名:検索から生成へ 生成AIによるパラダイムシフトの行方 
著者名:清水亮
発行所:㈱エムディエヌコーポレーション
第1刷発行日:2023年9月1日
定価:1650円(1500円+税)

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