【書評】論点思考 BCG流問題設定の技術 著者:内田和成
「論点思考?」…そんな仕事で使う難しそうな本は、面倒そうだから私は読みたくない!
あなたは、そう感じ敬遠していませんか?
待って下さい!「あなたの家庭生活の平和の為にも、この本が必要なんですよ!」。
そう言われれば、読む気が少しは起こってきませんか?
この「論点思考」が出来るようになれば、「あなたの生活は激変する可能性がある」…と私は考えています。
会社も家庭も、人間が集まって団体で生活を送るという意味では同じ環境にあるといえます。だから、会社で起こる問題は、家庭でも形こそ違うが、同じ様な問題が起こっているのです。
会社で上司と部下が分かり合えず、何かギスギスして話し難い。=親と子が「どうせ話しても分かってもらえない」と、顔を合わせても諦めていて話し会うことがない。
どうですか、似ていると思いませんか? 会社で有れ、家庭で有れ、「人間関係での意思疎通の問題である事」に変わりはありません。会社と家庭、場所と環境は違いますが、形を変えて同様なことが起きているのです。
つまり、会社で求められる論点思考は、会社のみでなく、問題が起こる家庭、そして問題が起きる「どんな場面」でも必要とされるのです。
…遅くなりましたが、「論点」とは何か?を筆者の言葉で説明しますと、『「論点」=「解くべき問題」』の事です。
例を挙げて説明すると、『「電車が脱線して死亡者が出た」という事故が発生した。』場合、会社は、ゴール=「脱線を無くす」という課題を抱えます。何が悪くてこの事故は起きたのか?原因を考えると、1:運転手が居眠りしていた。2:カーブなのに、電車が減速しないでカーブに入ってしまった。3:電車の線路に障害物があった。など沢山の要因が浮かび上がって来ます。でも、考えられる要因全てを問題として取り上げ論議する時間は取れそうにない。…こんな状況では、論議すべきを「論点」を1つに絞り込みたい!と思いますよね。そうです、この論点探し、論点の絞り込みを行う思考の技術こそが「論点思考」です。
少し分かりやすくするために、この状況をドミノ倒しで喩えてみます。ドミノ倒しの列が仮に5つ見つかって、一つだけが目的のゴールに繋がっている。でも、そのゴールは山の向こうで自分からは見えない。さあ、どのドミノの列の一枚目を倒せばよいのだろう?…ドミノ倒しの1列が「一つの論点」と考えると、5列=5つの論点が有るという事です。先が見通せる簡単な問題(短いドミノ)であれば、5つ全部を試すことが出来ます。でも、問題というものは、ほとんどの事例で許される時間が短く限られるという特徴があります。その上、重要な問題は、簡単に見通せない頭を悩ませる問題(長いドミノ)である事が多い。ですから、実際に5列のドミノ倒しをせずに、ゴールに繋がる一つの列(真の論点)を選ぶ事が要請されるのです。
この様にゴールに繋がる列(真の論点)を、5列(5つの論点)のドミノ倒し(トライ)をせず、一つの列(真の論点)に絞り込む技術が「論点思考」です。
人生に時間という生きられる期限がある様に、あらゆる仕事にも納期という期限があります。そして、重要な課題、問題は複雑で多くの時間が必要となります。だからこそ、ドミノ倒しで押す最初のコマ1枚目は、ゴールに繋がる1枚目でなければいけない。
一歩目が間違ってしまうと、望むゴールに到達することはありません。そして、その以降の歩みは全て徒労となってしまいます。そう知れば、この「論点思考」の重要性を感じて頂けると思います。
沢山の「質の良い論点」を導き出し、効果が発揮される「真の論点」に絞り込み、速く・効果的成果を出せるようになる為に、一度はこの「論点思考」の概念に触れてみる事をおススメいたします。
久々に虹を見ました。
通りすがり、周りの人がスマホを持って空を見ていたので、何だろうと思い私も空を見たら、虹でした。
急いでカメラを取り出し撮影しましたが、写真以上に虹は素敵で何か心が豊かになったような気がしました。
いつも、写真を写そうと準備しているので、シャッターチャンスを生かすことが出来て良かったです。
こんな写真をいつもお届けしたいのですが、「そうは問屋が降ろさない!」ですよね。
まだまだ腕が伴いませんが、出来るだけ写真で”癒し”をお届けできるようになりたい!
…そう考えています。
でも、今はまだ学びの最中です。
2022年4月26日記
本の明細
著書名:【書評】論点思考 BCG流問題設定の技術
著者名:内田和成
発行所:東洋経済新報社
第1刷発行日:2010年2月11日
定価:1600円+税