【書評】「仕事が出来る人」に共通する、たった1つの思考法 数値化の鬼 著者:安藤広大

誰かから、”あなたは「数値化」の意味について答えられますか?”
と問われた時、あなたは答える事が出来ますか?

私はどうなの?この質問に答える事が出来るのか?と自問した時「目標管理には数値化が必要だろうな!」とは思いましたが、残念ながら”しっかり”言葉として答える事が出来ませんでした。

では著者はこのことについて、何と言っているのでしょうか?…その答えは、以下の通りです。

著者の答え:『数字は、客観的な視点を与えてくれる「モノサシ」です。』

いかがですか?読者の皆様は、納得しきれたでしょうか?
残念ながら、私は、何か”もやもや”して「分かる様で分かりずらい」!と感じました。

そこで、「著者の答え」の意味を探ってみたいと思い考えてみました。

私が感じる「理解し難さを生んでいる要因」と思われるポイントは、『なぜ数字を使うと「客観的な視点」を持てるのか?』という疑問です。そこで、この著者の言う考え方を裏返して考えてみました。

「数字が客観的な視点を与える」という言葉を裏返すと、「数字以外は客観的な視点を持てない」という意味になる。…と考えました。そこで、「数字の裏返し=言葉」、「客観的の裏返し=主観的」と置き換えて表現してみると、「言葉には主観的な視点が入り込む」という答えになると思いました。

「言葉には主観的な視点が入り込む」という考え方には、私には一つ思い当たる事があります。それは、現在、世界的な問題となっている、ロシアによるウクライナへの侵略戦争の「正義」という言葉の解釈の問題です。

何で、ロシアはあんな冷酷無残な戦争を出来るのだろうか?と考えた時、ロシアとNATO・米国の持つ「正義」に違いが有るのではないかと思い至ったのです。つまり、「正義」という言葉の概念の意味には、答えが一つでなく二つある。…と考えた時、見えて来るものが有りました。

ロシアのウクライナ軍事侵攻の戦いは、ロシアのプーチン大統領が考える覇権主義的「正義」とNatoと米国陣営の自由民主主義的「正義」の対立と置き換える事が出来ると考えたのです。その争いの内容は、かっての日本の戦国時代の様に、生き残る事が「正義」となる個から考える覇権主義の「力の正義」と、戦争への教訓から生まれた共生の為の自由民主主義的「法の正義」の対立、と解釈したのです。この二つの正義は、人それぞれが持つ主義や主観の違いが、その人数分の違う正義を作るという事を示唆しています。つまり、言葉での表現では、関係する人数分の主観的解釈「答え」が生まれてしまうので、同じ評価が出来なくなる。つまり、「言葉」では、関係者全員が共通の評価をするべき「客観性」を確保出来ない。

それに反して、「数字」には感情も主観も入り込まないので、事実として明確かつ関係者全員が公平で共通の評価が出来る。1+1の答えは=2のみ、100%が達成目標で80%が実績で有れば、答えは一つで未達成=不足は、20%(100-80=20)という一つの答えになる。つまり数値化は、評価の際『誰しもが迷うことなく一つの答えにたどり着く=「客観性」』を持つという事になります。

言葉を変えて言うと。
・言葉は「定性的」で、ひとそれぞれの答えを持つ。
・一方、数字は「定量的」で、それがゆえ全員の答えは一つになる。
という表現となります。

こう思考して、『数字は、客観的な視点を与えてくれる「モノサシ」です。』の意味に納得しました。

目標の数字・数値化を行わないという事は、「結果を客観的かつ公平に評価出来ない」という事となるので、数値化を仕事、そしてプライベートの世界でも導入すべきだな!…と思い至りました。

*参考資料:NET資料より

①「客観的」の意味は”第三者の考え”
「客観的」の意味は、“第三者の考え”です。特定の立場からモノを見たり考えたりするのではなく、「第三者としてモノを見たり考えたりすること」を指す言葉です。「自分の思い」を直接意見に取り入れるのではなく、具体的な数字や前例などから、物事を考えることを「客観的」と言います。 参照:https://biz.trans-site.jp/28570

②:客観の対義語である主観について

上記サイトでの対義語である主観の意味を調べました。『「主観的」とは「自分視点でモノを見たり考えたりすること」を意味する言葉で、「客観的」の対義語に当てはまります。』

③「モノサシ」とは何か?

念のため、辞書で「モノサシ」の意味を調べてみました。

モノサシとは、「物事を評価する時の基準。尺度。」。
*参照:デジタル大辞泉

『数字は、客観的な視点を与えてくれる「モノサシ」です。』のまとめの解釈

この文章は、『結果を評価する道具として、主観が混じり込み、言い訳など揺れを持ち易い言葉と比較し、「数字」は、主観で揺れる事のない、多くの人が一元的解釈を可能とさせる「評価の基準となる道具」である。』という事を説明していると解釈しました。

以上、少々偏ったマニアックな書評となってしまいましたが、「数値化」の意義が伝わったなら、この本を読む意義も伝わるのではないかと、勝手に思っています。そして、数値化により、第三者的に、そして冷静に自分を評価出来る様になれば、自分の成長も加速できる事が期待出来る。そんな風にも感じました。

この本には、私的にもう一つ気になる知見が有ります。それは、「やるべき事」と「やらなくて良い事」を見分ける「変数」の探し方という話です。つまり、仕事のツボを見付け出す方法・テーマを正しく設定する方法に対する記述です。仕事のムダを無くし、仕事のスピードアップを図れる考え方と捉えています。

ただ、この「変数」に関する知見については、別の機会が有ったとき、そしてもう少し思考を深めてからご照会出来ればな…と考えております。

月がきれいだったので、月を生かせる写真を意識して上記写真を写しました。
成功したでしょうか?
やはり、文字だけの記事では、たとえ役に立つ内容で有っても疲れてしまいます。
少しずつでも、読者の皆様の気分転換となる写真を投稿出来る様になりたい!
そう思い、トライ中です。
でも、その事を忘れてしまうぐらい、写している際は、写す事に夢中になり始めています。
ただ、もっと遠くに出掛けて写したいのですが、ままならないのが寂しい限りです。

2022年4月18日記

本の明細
著書名:【書評】「仕事が出来る人」に共通する、たった1つの思考法 数値化の鬼
著者名:安藤広大
発行所:ダイアモンド社
第1刷発行日:2022年3月1日
定価:1500円+税



 

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