【書評】バズる書き方　書く力が、人もお金も引き寄せる著者：成毛　眞

読んでもらえなければ、「それは存在しないと同然」だ。
と本の出だし「はじめに」で指摘され、なるほどそうだなと思い、つい本を買ってしまいました。
完全に術中にハマっていますよね！

記事を書いても「読んでもらえない！」のではないか？そういう危機感があり、体が反応してしまったようです。読んでもらいたいから情報発信しているのに、誰にも読んでもらえない。これでは、あまりにも悲しい！

今は物書きには、受難の時代かもしれません。とにかく現在はあらゆる人に「情報発信の門戸」が開かれています。そう、昔は、情報発信は新聞社や雑誌などマスコミの仕事をする人達の特権でしたよね。でも、今の人は誰でも、その気になればほとんど”0円”で自分の思いを全世界の人に向け発信できる時代に生きている。

当然、莫大な量の情報がNET空間に激流として流されているし、そこで自分の発信記事を読んでもらうのは、そりゃあ大変！だ。読んでもらえなければ「存在しないと同然」の言葉を考えると、ジワッと脇の下に冷や汗が流れます。でも冷静に考えると、そういう事実を受け入れざるを得ません。

「反応されない情報は、表示されない！」それがアルゴリズムに支配された世界。まずは情報の受け手にクリックしてもらわないと、何も始まらない。
では「どうすればいいのか？」その答えがこの本にはのっています。

SNSの世界には特有な”コツ”がある。著者曰く、【とにかく「1行目」が勝負。ここで作品の良しあしは9割決まる】。つまり、最初の1行で読み手の好奇心をつかまないと、読み飛ばされてしまう。
勝負は1行目。

そして「情報を読む機器は、”スマホ”の時代」。これを前提に画面上での文面の見え方、読み易さにこだわる。まずは見栄え！。
時代が変わればスタンダードも変わる。従来の文章作りの基本をSNS仕様に「上書き」が必要だよ！と、この本は教えてくれます。

著者は、書評サイト「HONZ」を主宰する成毛眞さんです。かの有名なマイクロソフト日本法人代表取締役社長を務めた方です。
時代の流れを的確につかまえ、それを具現化する場所を選択をし、陽の目を浴びる様に力を尽くし活躍してきた時代を見る目を持った人。そういうイメージがあります。

実は、この本は初版本（今年1月発行）を購入しています。スマホの時代なので、自分の文章がスマホではどうみえるのか？見え方が気になっていたのです。当時の私の携帯はガラケーで、スマホはつい約2か月前の9月1日の購入の為、スマホ画面による画面確認ができませんでした。でも、読みカジッた情報（「1字下げをしない」「段落を変える時は1行開ける」など）を採り入れてブログ文を作成してきました。

スマホ購入後、スマホで文章を確認し出来る範囲でブログ文の修正は行いましたが、ソフト力が必要な所は手つかずの状態です。
この経験から言えることは、「環境に合わせ、常に変革しないと取り残される時代」だという事です。「紙」の時代から「デバイス」で情報をみる時代へと、ページはめくられている。

どの分野でも、激しい変革の大波の中にいるのが現代。
時代環境の変化に合わせ、書き方の基本を変えなければ見向きもされなくなる。それだけ気の抜けない時代に我々は生まれている。そう言うことだと思います。

「時間＝命」を文章公開に捧げているなら、その変革から目を背けずに危機意識をもって、新しい変化を採り入れなければ！…と
この本を読みながら、その意を強くしました。

時代の変化を表す言葉として「10年ひと昔」なんていわれましたよね。
でも今は、「3年ひと昔」？、それとも「1年ひと昔」？

アナログからデジタルの世界に変わり、世界は激変した印象を受けます。
まるで漫画の世界にしかなかった事が、この世に続々と誕生しています。
昔、漫画で見て「異世界の夢の乗り物」と感じた空飛ぶタクシーも、今やドローンでビジネス化が進みつつあります。
そして、IPS細胞の誕生により、新たな生命の誕生まで作れる技術を手に入れつつあり、不老不死の世界でさえ夢物語ではなくなっています。

これを形容すると「神の世界を人間が浸食し始めている」ことと感じ、その進歩の速さは”ワクワク”から”恐ろしい”の世界に踏み入れている事を感じます。そして進化する事で便利さを手に入れた一方、地球温暖化の様に人類を危機におとし入れるデメリットも目立ちます。

でも、嘆いても仕方がないですよね！
事実は事実。嘆いても「過去も現状も」変わるわけではない。

急激な変化も、自分には理不尽と思えることも、受け入れて前を向いて対応するしかない。
そして、世界の変容に、果断に戦える自分へと変えていく。
そんな自分で在りたい。…と考えています。

2021年10月24日記