【書評】未来実現マーケティング 人生と社会の改革を加速する35の技術 著者:神田昌典

「何とか現状を変えて、もっと前に進んでいきたい!」と多くの人がそう思うけれども、では「どうすれば現状を変えていけるのか?」
その手段が分からず、つまずいてしまう人が、実は多いのではないかと思っています。

読者の方の中で、もしそのような壁を感じている人がいるならば、この本はもってこいの本だと思います。

何故そう思うかというと、実は、私もその悩みを抱えている一員だからです。

私が最近よく考えているテーマの中に、「どうも自分には”具体化力”が不足しているのではないか」という仮説が有ります。なぜこんな仮説が生まれたのかというと、私は長い間「自分の中にある”想い”を実現しようと思い、色々とトライしてきたが、一向に現実を変える成果が上がらない!」という問題を抱えており、「なぜ成果が上がらないのか?」その原因について長く思考して来た結果、この仮説に辿り着いたのです。

この成果が上がらない問題の解決に、ある方向性を見出したのが「具体と抽象」の本を読んだ時です。抽象化というのは、「散らばった事実(具体)の中から共通項を見出す事で抽象化し、本質を探り出す」作業です。一方その抽象化した本質で新たに行動を起こす為には、「抽象化された本質を、行動出来る単位(粒度)の具体へ落し込む」作業が必要になります。

その抽象から具体へ適切に落し込む力が「具体化力」と考えています。つまり、成果が上がらないという問題は「理想や目標(抽象)を現実化する為の「具体化力」が不足している」事が原因という仮説が導き出されたのです。

そして、この具体化力について色々と思考した結果、「具体化力=企画力=マーケティング力」だというのが、私の中に生まれた新たな仮説です。

この本を読みたいと思ったのは、その答え合わせが有りそうだと思ったからです。そして、読んだ結果「具体化力」を身に付けるには、「マーケティング力」を身に付ける必要がある。…と確信を持ちました。

では、マーケティングとは何か?
筆者は、マーケティングについて、この本で再定義をしています。以下に本の中から抜粋してご案内致します。

【マーケティングとは、商品を売る為の広告や調査法とだと思われているが、それは表層的な理解だ。その本質を捉えて再定義すると。
マーケティングとは「必要な価値を、必要な人に届け、必要な変化を起こす仕組み作り」の事である。】

マーケティングの目的とは「必要な変化を起こす事が目的」で、自分の人生や社会をより良くしたいという方が学ぶべき技術。でも悲しい事に、ほとんど浸透していない。…と述べています。

*マーケティングという概念は、どうも、どんどん深化している様(マーケティング1.0→2.0→3.0→4.0へ)で、私は現状を変える為に必要な学ぶべき基礎技術として捉えています。

この本の中では「変革を具体化するマーケティング技術」が35個紹介されています。上手く変革を進められないと悩む時は、是非参考にしてみて下さい。

つぎにご紹介するのは、組織内で変革を起こす時に、組織内でその考えをどう広めて、変革していくかという技術についてです。成る程!と思いましたのでご紹介いたします。

著者によると、変化を起こそうと「頑張る必要はない!」との事です。
エッ!本当?…とつい思ってしまいますよね。

頑張って何度も説得を繰り返すと、逆に「変わるもんか!」という反発を招いてしまい、事が成就しない様なのです。
ではどう変化を起こすのかというと、答えは、むしろ簡単で、「自ら進んで、変化に協力する人達とだけ繋がる」ようにするだけで良いとの事です。100人いれば、協力者は6人現れ、そのメンバーだけで変化を素早く起こし始めれば、周りから二人三人と協力者が現れる。そして協力者が12人を超えると、組織内で認識され、一気に30人、50人と浸透していく。

つまり、小波から大波を起こしながら、個人と社会の変化をリードする仕組み作りをする。…それがマーケティングの真髄だ!との事です。

実にシンプルで、納得のいく方法だなと、私には感じました。皆様も、こんな場面がやってきたら是非トライしてみて欲しいと思います。

最後に取り上げるのは、SDGs(持続可能な開発目標)についての著者の感想です。

皆様もご承知とは思いますが、SDGsとは、国連が定めた2030年までに実現すべき17個の「持続可能な開発目標」の事です。最近は報道などでよく聞くようになったので聞き慣れてきていると思いますが、生活にどう関わってくるのか、もう一つピンとこないと思う人も多いのではないかと思います。

でも、著者の感覚から言えば、SDGsは「小学生から企業人までの共通言語になっている」という事らしいのです。著者はビジネスコンテスト(通称ビジコン)に参画する事が多いので、その発表内容から特に感じるそうです。

認識すべき事は、SDGsの誕生は今後の世界の環境作りに「共通の価値観」が生まれたという事です。そして、SDGsが市民権を得る様になれば、当然、企業が生む商品であれ教育内容であれ、この共通の価値観が指し示す方向を向いていないと、世間に認めてもらえない。そういう時代が到来して来ている、という事なのだと思います。

皆様も是非この本を読み、SDGsを他人事とせず、危機感を持ってマーケティングと共にSDGsの勉強をしておく事が、未来の自分の為になる事なのだ、と感じて頂きたいと思います。

私はこの本を読んで、多くの示唆を与えて頂きました。変革を目指している方には、是非この本のエキスを吸収して頂きたいと感じています。

一読をおススメしたいと思います。

何かモヤモヤする!何かイライラする!何か足りない!

最近、そんな気持ちに襲われる日が多くなっています。
どうも、1日の生活に充足感が感じられないのです。

そこで、どうしてそんな気持ちになるのかを考えてみました。
その結果、どうも年初に立てた計画が思い通りに進んでいないから!という事に思い至りました。

計画通りに進まない原因は、計画を前に進めるのに必要な良いアイデアが出ない事に有ります。
そして、上手くいかない時に困る事は、自己否定感に襲われがちになる事です。
やはり、俺にはアイデアを出す才能も実行力もないんだ!…と自己否定しがちになり、落ち込んでしまうのです。

幾つになっても、何かを求め決めた事が上手くいかないと、こんな気持ちに襲われるのかもしれません。

でもその一方で、こんな気持ちになるのは、まだまだ気持ちが若く成長を求めるが故に起こる事。…と思う自分がいます。

「ものは考え様」という事ですね!

今は、沖縄の”ナンクルナイサ!”の精神で気分一新し、乗り切りたいと思っています。

2023年3月21日記

本の明細
著書名:未来実現マーケティング  
著者名:神田昌典
発行所:㈱PHP研究所
第1刷発行日:2022年5月27日
定価:1020円+税

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