【書評】サラリーマン副業2.0 人生が好転する「新しい稼ぎ方」 著者:小林昌裕
皆様は、「稼ぐ力」について考えた事はありますでしょうか?
私は、年金生活に突入して始めて「今まであまり真剣に考える事はなかったな~」と思い至りました。そして、年齢が70代になって、仕事の選択幅が極端に狭くなった今、そんな自分であった事に、大いに残念な気持ちになっています。
何故ならば『「生活の豊かさは=選択の自由度がある事」が必要で有り、そしてこの選択の自由度は、やはり経済的裏付けが有ってこそ確保出来る』と考えるからです。この当たり前と思える事を、金銭的余裕をなくすまで放置し、アクションを起こさなかった自分の行動力や創造力の無さ(危機感の無さ=平和ボケ?)に、残念感が募のるのです。
金銭的な余裕がなくなると、気持ちは守りに入ってしまいます。この守りに入ってしまう理由を自分なりに分析すると、『自分の力のみで「稼いでいける」というイメージ』が自分の中にないからで、攻めの気持ちより「将来へのお金の不安」の方が重くなり、「金銭的リスクを取ってでも”やるぞ!”」とするチャレンジ精神は引っ込み、守りに入ってしまうと感じています。
守りに入らず攻めの気持ちを持つ為には「いつでも稼げる自信」が必要だと思っています。要は「稼ぐ力」を身に付ける事。この力さえ持っていれば、困難に怯む事なく攻めの気持ちを持って、そして選択肢を広くしてチャレンジする事が出来るであろう。…と私は考えています。
大学を卒業して以来、私はサラリーマンとして生きる事に、強い疑問も抵抗も持つ事はありませんでした。そして一度目の定年退職を迎え次の仕事を模索する時には、フリーランスの道を考えはしましたが、「私には、立脚できるスキルがないな!」と早々と断念、再びサラリーマンの道を選択し70代を迎えてしまいました。
そんな私だからこそ、「稼ぐ力」を持つ事の大切さを強く感じるのだろうと思います。
私の中では「稼ぐ力=生きていける自信」という等式が成立しています。だから、自分に「稼ぐ力」が有ったならば、もっと自分の意志を明確にし、大胆な生き方を考え出し選択していたかもしれない。そしてもっと面白い人生を歩めたかもしれないな。
そんな事を考えています。…後の祭りですが…。
上記の「稼ぐ力」=「生きていける自信」という等式は、多くの人の場合でも成立する。…と私は考えています。
その意味で、読者の方の中でもし「生きていける自信が足りないかも」と心当たりがある人は、是非とも「稼ぐ力」を身に付けることを、一度真剣に考えてみて欲しいなと思います。
「稼ぐ力」は、迷いなく行動する上で、あなたの強力な後ろ盾と成ってくれる…。そう私は思っています。
*「稼ぐ力」という横道から入って、長々と論じてしまいましたが、ここからはこの著書の本題「副業」の話となります。
「自分で起業する」のは、普通の人にはハードルがとても高い物です。何故なら「稼ぐ力を私は持っている」と自信持つ人は、ごくわずかしかいないと思うからです。だからこそ、比較的ハードルの低い副業に実際にトライし、この「稼ぐ力=マネーリテラシー力」を身に付ける事が、推奨されます。
ただ、いくらハードルが低いと言っても「されどハードル」で、「実行する、継続する」という最低限のハードルは超える必要があります。そして、このハードルは、筆者曰く「目指す人が100人いて、実行してくれる人はおよそ10人、更に継続する人はその半分、そして果実を得る人は2~3名」という狭き門、意外と高いハードルが待ち受けているのです。
でもモノは考え様で、「ハードルが高い程それが貴重な知識・スキルとなり自信のもとになる」、とプラスに考えれば乗り越えられます。
この本の著者は、この副業を始める「意志と意味」について、次の様に語っています。
『まず、現状のままでは、未来が危ないという危機意識を持つ事。その上で「自分自身が変わる」「何かをする」と思ってこそ、始める事が出来る。ただ、副業を始めてもすぐに成功するのは難しいかもしれない。でも、ステップを踏み、一つ一つ壁を乗り越える事で少しずつ能動的に変わっていき、結果が出れば自信も付いて来るのだ。会社の人間関係のみでなく副業や趣味などの多様なコミュニティを持つ事が、より豊かな人生に繋がって行く。』
自分の人生を、もっと能動的に変えていきたい、人生のステージを1つ上げたいと望むなら、副業はチャレンジし甲斐があるものとなる。…この本を読みながら、そんな風に思いました。
著者は次のようにも言っております。
『副業は、ネガティヴで難しく捉えられているが、最新のITを駆使しながら誰でも楽しく稼げる。だから今を本気で生きる為に”やる”しかない』
この本は、著者曰く「本業だけに頼らず生き抜く為の「稼ぎ方」を厳選して紹介した本」という事なので、副業に興味の湧いた方は、一度この本に目を通して、どんな副業が可能なのかを考えてみて下さい。
少なくとも私は、副業をやる気満々でいますよ!。
本文の中でも取り上げている「選択の自由」は、人にとって本当に大切な事ですよね!
日本にいると、自由である事が当たり前で有り、語る事もほとんどないけれど、自由であれる事は何物にも代えられない価値がある事だと思います。
その証拠に、この自由を求めて、いくつもの国でいまだ血が流されています。
今、戦っているロシアとウクライナの戦争も、そのベースは自由をめぐる戦いですよね!
まさか、21世紀になってこんな戦争が起きるとは、ほとんどの人が想定外の出来事だったのではないでしょうか?。
人間て、本当に成長しないですよね!
過去に自由を求めて、多くの血を流してきた歴史があるのに、まだ懲りずに自国の都合を優先し戦争に突入してしまう。
本当に情けなく感じます。
『争いごとは「法」の下で戦わねばいけない』という思いは、大多数の人が認めることですよね!
武力という暴力で問題を解決しようとする事は、終わる事のない恨みの連鎖=暴力の連鎖を招いてしまう事を、歴史が証明しています。
誰も幸せになれない!
お互いが決められた価値観(法)の下で、お互いの主張を戦わせ、正否を明確にし、譲歩を含めて話し合いで了解・決着させるべき。
頭の良いはずの一国のリーダー達が、なぜ不毛な暴挙に出てしまうのでしょうか?
どんなに言い作ろうとも「20万人にも及ぶ犠牲者を出してよい理由」なんて、あるわけがない!
戦争の反省で出来た国連が機能しない…。悲しいですね。
…ちょっと熱くなり過ぎたようです。
ロシアの自分勝手なふるまいが、あまりにも情けなく、つい熱くなってしまいました。
でも私達も、日常の生活の中で、他人の領域まで踏み込んで自由を奪っているかもしれないので、自重が求められます。
そして、逆に自由を奪おうとする人がいた場合に、しっかりと反論できる言葉の力・聡明さを持つ自分で有りたいなと思います。
2023年2月20日記
本の明細
著書名:サラリーマン副業2.0 人生が好転する「新しい稼ぎ方」
著者名:小林昌裕
発行所:㈱PHP研究所
第1刷発行日:2019年3月4日
定価:890円+税