【気になった情報】TV番組NHK2ch「サイエンスZERO」より、天気痛のメカニズ経過から「知識を得る事の大切さ」を考察してみました。
天気痛?
余り聞かない言葉でした。でも実は、天気痛という言葉は知りませんでしたが、気圧が下がると頭痛を引き起こす現象は、自分の息子が頭痛持ちなので知ってはいました。そして以前から、どうして気圧が下がると頭が痛くなるのか?、何か良い対策はないのか?知りたいと考えておりました。
今回、このTV番組を見て、天気痛のメカニズムが分かりましたので、天気痛を持ちながらも本番組を見なかった方へ、天気痛を持ちながら気付かない人へ、そして、この本の内容を自分の記録資料として残したくなり、今回取上げてみました。
とても参考となる知見です。天気痛は、自覚のない患者を含め、その患者数は日本全国で約1000万人以上と推定されているとの事です。原因が分からない不定愁訴に悩まされている”あなた”も、天気痛が原因かもしれません。
この番組は、アナウンサーの浅井 理さん、聞き手の小島瑠璃子さんが、科学者を迎え新しい科学知見内容を解説するトーク番組です。私は好きで毎週視聴しています。今回は、身近な話題なので大変興味深く視聴させて頂きました。本番組は、とても好奇心を刺激させてくれるNHKらしい番組と感じています。
本題の天気痛は、よく知られた現象ですが、そのメカニズムは長い間分かっていなかったそうです。そして、このメカニズムを解き明かしたのは日本の研究者で、愛知医科大学客員教授 佐藤 純さんが、ウエザーニュースの森田清輝気象予報士の力を借りて、発症のメカニズムの解明に成功したとの事です。
*参考ですが、愛知医科大学には、天気痛外来「いたみセンター疼痛緩和外来」が開設され、30名/1日位の患者さんが訪れるとの事です。
①:天気痛のメカニズム…世界初解明!気圧センサーは耳にあった
佐藤教授は、元々は内科医として、痛みに悩まされている患者さんと向き合ってきた人だそうです。そして、天気痛の研究のきっかけも患者さんの声だったそうです。
患者さんの声:「雨の日とか大体症状が出易くて、一切布団から出られなくなってしまう感じになる」…。
天気のせいで、原因不明の体調不良になる患者さんが数多くいた。しかし、それは病気として扱われず、時には「気のせい」とまで言われていた。そこで、佐藤教授は、何とかしてあげたいと原因解明に乗り出したそうです。
・判明した天気痛が引き起こされるメカニズムは、以下の通りです。
気圧の変化が起こると、耳の前庭器官に詰まっているリンパ液が揺れたりして気圧の変化を感じ取り、前庭神経が興奮する。するとすぐそばに有る三叉神経が刺激され神経伝達物質を放出。これに反応し脳の血管が拡張して炎症物質が放出され、頭痛に繋がる。と言う発症のメカニズムです。そして、佐藤教授は、この痛みを「天気痛」と名付けたのです。
・耳は敏感な器官
内耳というのは、(極小さな振動の波)声を感知する器官なので、小さな気圧変動も敏感にキャッチしてしまい、天気痛を発症させてしまいます。
*参考:気圧とは何か?「気圧というのは=空気の重さ」。 人間の身体は、空気に覆われており、空気の圧力を受けている(山は空気が薄くなるので低気圧になる。)。その空気の重さ(圧力)を気圧と言っている。1気圧(標準気圧)=1013ヘクトパスカル(hpa)で表される。ちなみに、台風が来ると、気圧が約50hpa下がる。山で言えば、50hpa下がると=標高500mの山の気圧に相当するそうです。
②:天気痛の起こる原因は三つあった。
天気痛に影響する気圧変化というと、一般的に台風襲来時と考えがちですが、この他にも私も初めて名前を聞く気圧変化が有り、計三種の気圧変化が天気痛を引き起こす原因である事が解明されたとの事です。
(1)大きい気圧変化
天気痛が起きやすいのは、「台風の季節」と「春先」だそうです。「台風」は、熱帯低気圧が発達した物だから、気圧の変動巾が大きい事は皆さまもご承知と思います。一方「春先」は、北の冷たい空気と南からの暖かい春の空気がぶつかり合い低気圧が発達し易く、大きい気圧変化が起き易い(春一番の様に)そうです。
(2)微気圧変動
聞きなれない言葉ですが、これもまさかの発見だったそうです。これも患者さんの声で、晴れの日にも拘わらず「雨の前は、晴れの日でも体調不良になる」という声があり、原因究明に乗り出したそうです。教授が原因として考えた事は、「気圧が大きく変わる前に”何らかの前兆”を感じ取っているのでないか」という仮説です。
これを解明するには、自分一人では無理と感じ気象の専門家に協力を仰いでみたそうです。中々協力を得られない中、耳を傾けてくれたのが「ウエザーニュースの森田清輝気象予報士」だったそうです。森田さんは、晴れている日にも小さな気圧変動が有る事を見付け、それに呼応して周りの仲間に体調の悪くなる人が出るので、その時は原因が分からず”もやもや”を抱えていたそうです。
医者と天気の専門家という異色のタッグを組み、天気痛を持っている方160,000人にアンケートを取ったとの事です。すると、台風が本州から離れているにも関わらず調子が悪い人が増え始め、台風が最接近する二日前から32%の人が体調を崩している事が分かったそうです。
そこで、台風が来る前に何が起こっているのか膨大なデーターを解析の所、天気予報に使われる気圧変化のグラフの線が、台風が直撃する前の二日間(普段はノイズとして扱ってしまうような)線が小刻みに変動(0.5hpa程度の小さい変動)し続け、気圧線が”ギザギザ”(微気圧変動という現象)になっている事が判明したとの事です。
この気圧変動を赤と青で表し地図に落とし込むと、日本から離れたフィリッピン沖に生まれた台風から微気圧変動が生まれ、台風の雲が日本の本州にかからないのに、それが”さざ波”の様に二日間、日本列島に押し寄せている事が分かったのです。
つまり、「小さな気圧変化でも連続して起こる事で、前庭器官が刺激され続け天気痛に繋がってしまう」。天気が崩れる前に体調を崩す人は、この「微気圧変動が原因」と判明したのです。
(3)1日の気温差の大きい日の大気潮汐(たいきちょうせき)
二つの原因が特定されましたが、またまた違う症例が患者さんからもたらされました。それは「決まった時間に、たびたび頭痛がします。一体なぜでしょうか?」という相談です。
これを医者から聞いた気象予報士の大塚さん(担当が変わった)が思い当たったのが「大気潮汐」という現象だったそうです。大気潮汐は、太陽の光が地球の大気を暖める事で(大気が膨張し気圧が下がる)起こる周期的な気圧の変動で、12時間周期で決まった時間にアップダウンを繰り返す気圧の波として観察されるものです。
これを聞いた教授は、私たちの体は、何時も起こる環境のリズム変化に自分の体が上手く対応する様になっている。だから、この現象は、他に何か(気圧を)感じる”キッカケ”みたいな物があるのではないか?と考えたそうです。「ほかのキッカケ?」という問いを受け、大塚さんは「では、この気圧変動リズムが狂う時が怪しいのではないか?」と考え調べた結果、通常大気潮汐の気圧変動は、1~2hpaの所、1日の気温差が大きい時は、これに+して2~4hpaの大きな気圧差が生じている事が判明したのです。
つまり、1日の気温差が大きい日は、大きな気圧の変動が生まれ、その分大気潮汐の影響が強まり、体調不良が出易い事が判明したのです。
【参考】
・天気痛に効く薬の情報(基本はお医者さんに確認し、服用下さい。):”めまい”を止めるような薬
・内耳が敏感な人は、「乗り物に酔いやすい」「高い所に行ったりすると、耳が痛く成ったり、ボーンと成ったり、耳抜きがヘタ」である傾向がある。
・ウエザーニュースで「今日・明日の天気痛予報」が見られます。一度検索をお薦め致します。
*天気痛でも、肩こり、慢性痛の悪化、倦怠感などは頭痛とは別ルートで引き起されている様です。それは気圧が下がる事による脳の混乱「乱れ?)に自律神経が反応し、体調不良に繋がると考えられているようです。
(4)「知識を得る事の大切さ」についての私の学び
天気痛で悩んでいた患者さんの話をご紹介すると「(天気痛)の原因が分かるのが一番大きい。ちゃんと予測も出来るので助かっています。」、又、病名を「天気痛」と聞いて涙を流した人がいるそうです。想像するに、他人から単なる「怠け者」などと思われ、辛い思いをしていたのだと思います。思い悩む時間は、当人にとっては、人には分からない過酷な時間なのだと思います。でも病名を知る事(知識を得る事)で霧が晴れ、この負の時間を乗り越える事が出来、新しい時間を作り、前に進む事が出来ます。
この番組を見て、道のりは険しいですが、私も自分のやる事で「他人の悩む濃い霧を晴らす役に立ちたいな!」と思いました。
もっと、頑張らねば!
家の梅が、今満開となりました。
梅は、さくら程の華麗さはあまりありませんが、奥ゆかしさを感じ、とても好きです。
何か日本的だな!と感じます。
ただ、日本は平和ムードの中にいますが、ウクライナは戦争の真っただ中です。
何で、人間は成長出来ないのでしょう。
今迄も、嫌というほど戦争を起こし、憎しみの連鎖で国同士がいがみ合う結果を生んでいる。
この負の連鎖を何時まで続けるのだろう?
正直、人って何ともはや!…とため息が出てしまいます!
皆様もそう思いませんか?
戦争は、この世から無くしたいものですね!
2022年3月13日記