【書評】会話の天才 自分を変える3つのスキル 著者:野地秩嘉

会話は人と人が結び付く上での潤滑剤!
これが私が思う会話の役目です。

会話が上手かったら自分の人生は、もっと広い交友関係を築け、今よりも積極的で面白い人生にになったのではないか?。この年齢では有りますが、より強くその思いを感じています。

だいたい自分一人で考えていると、思考というのは堂々巡りをして一向に前に進みません。その上に、そんな前に進められない自分にいら立ち、自己否定をする様になってしまう。会話が出来てない時は、そんなマイナスのスパイラルにはまり込むことも多くなります。

人と話し合えれば、自分では気付けない視点から思考の弱点を指摘されるので、より早く思考を前に展開する事が可能となります。会話上手であれば、人の知恵を頂き、時間使いの生産性もはるかに上がり、もっと人生を豊かに展開できたのではないか?…この本を読みながら、そんな思いが強く走ります。

「仕事も生活も人間関係なしには成立しない。その人間関係を作り出しているのは、相互のコミュニケーション。そして、そのコミュニケーションは、会話にて行われる。」…そんなことは、改めて言う事は無い!、誰でも知っている事。とお叱りを受けそうですが、私は話上手でないがゆえ、会話の重要性を日々より強く感じています。

「自分は会話がヘタ!」という思いがあると、会話参戦に高い壁を感じます。その結果「会話ベタという思いが会話参戦を避けさせ、そして会話が少なくなるから益々会話がヘタになる」という悪循環をも作り出していきます。
その上、会話がないとどうしても相手の心を表情などで推測してしまいがちです。そして、その根拠なき推測は、時間の経過とともに現実として認識化され、その人の中に定着していってしまいます。その結果毎日会っている夫婦であれ、擦れ違いが生まれ、あらぬ方向へと人間関係がこじれて行くことが多くなります。

定年後、妻から離婚を切り出され、愕然とする夫。
こういうことは、奥様との会話の重要さに目覚めず、会話をないがしろにして来た旦那さんがおちいる典型的図式です。

外国でプレーする日本人サッカー選手が良く口にするのが、「外国の選手は言葉にして自分の欲求を伝えて来る」という話です。日本人は、もっと対面する相手と会話する事を大事にし、自分の意思を明確に伝えるべきと私は考えています。同調圧力に負けたり上の者に忖度したりして、相手と相談する事なく行動するのは、グローバル化した世界では通用しません。もっと日本人は会話を通じた意思疎通を学ぶべきだと考えています。

悲しいデーターですが、日本での家族同士の殺人事件は、全体の53.5%(2013年データ)と約半数を占めています。
近しい関係の方が、問題の発生が多い事を示しています。日本人の奥ゆかしさは美徳ではあるが、多様性を求められている時代では「日本人は何を考えているか分からない」と思われ、返ってリスクを大きくしているのではないかと思います。

読者の皆様はどうですか?家族同士で会話していますか?分かり合う努力をしていますか?
ヨコのつながりを重視し会話上手な女性に比べ、ヨコのつながりを軽視してしまいがちな男性は、一人孤立しがちなので注意が必要です。
グローバル化している現在では、益々会話を使いこなす事が求められています。でも残念ながら、会話の重要性に気づいてない人、又は会話を上手く使いこなせていない人が、大勢いるのではないかと思います。

家族そして仕事の仲間、近しい人と会話を持ちましょう。そしてその為に会話の技術を磨きましょう!会話を味方につけましょう!

この本を執筆した野地さんは、話す事を苦手にしていたそうです。最初は美術ライターという仕事を選択したそうですが、当初、絵を見て本を読めば書けるに違いないと思っていたが、実際の所は取材しないと書けない。そしてライターとして食べて行くには、もっと質問する力、雑談をする力を付けなくてはならないと感じたとのことです。

そこで、月曜から金曜まで午前二人、午後二人に、何が何でも取材してやろうと決めそれを3か月以上続けたとの事です。その結果、人と話すことに怯えを感じなくなったそうです。そして数をこなせば、質問する力、雑談する力のレベルが上がる事を実感したそうです。

この本は野地さんが、沢山の人達、一流の人達を取材し、会話上達に有効である事をまとめています。読めば、会話上達のヒントを多く得られると思います。

最後に野地さんが言う会話や雑談に必要な三つの基本を書いて評を締めたいと思います。

会話・雑談の三つの基本:「笑う、ほめる、相づちをうつ(共感する)」。

本文に書いたように、私も会話を苦手としていた一人です。
ただ、人と会わないと仕事にならない営業を自分の意図に反して長く勤めました。
その甲斐もあって、人に会う事のアレルギーは取れました。
でも、会話をもっと上手く成りたいという欲求は強く今も有ります。
TV番組で話すだけでなく笑いを取る芸人は、私にとっては”天才達”と感じます。
お笑い番組を見ると、つい会話の秘密は何処に?なんて見方をしてしまいます。
多分わたしより若い読者の皆様には、決して諦めることなく、会話上達へのチャレンジをして欲しいな~と思います。
早いうちに会話上手になれば、新しい可能性とチャンスが生まれると思っているからです。

2021年11月28日



本の明細
著書名:会話の天才 自分を変える3つのスキル
著者名:野地秩嘉
発行所:㈱ワニブックス
第1刷発行日:2016年10月25日
定価:830円+税

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