【書評】「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 著者:藤吉豊、小川真理子

文章術の参考書は、出来れば1冊がいい。
「文章作りで悩んだらこの本をみれば良い」という、義務教育の教科書の様に、これが「文章作りの基本」という本はないかな~。
そう願いつつも、半ば諦めの境地でした。

でも、この本を読んでみて”あった”…と素直に思いました。
この本を読んで、「この本は”文章術の教科書であり辞典”」だ!…と素直に感じました。

ブログを始める為に文章を作ってみて感じた事は、「読み易く、且つ伝える力のある文章を作る」のが本当に難しいという事です。
この本に出合う前にも文章術の本を読みましが、人それぞれで、これが王道という本には出合えませんでした。
それまでの自分の文章作りは、迷ったら「感性頼り」で、裏付けのない文章作りに常に疑問と不安を抱えていました。

何度も読み直し、推敲する事で乗り切ってきたというのが実態です。
でも、これからは悩んだらこの本をみれば良い。…と感じています。

今回この本を読みすっきりした例を挙げると、読点「、」の付け方です。
それまでの私の読点の付け方は、読む際の息継ぎ(句読点)を主体に付けてきましたが、それ以外にも8つのルールがある事を知り、疑問がとけました。
これからは、もう少し基本に沿った読み易く、混乱しない読点の付け方が出来るかなと思っています。

この本の特徴は、筆者の個人的視点で書かれたものでなく、過去に発行された文章術名著100冊のエッセンスを集めて書かれている事に有ります。
そして文章作りのコツとして、100冊から重要な40項目を取り上げているので、文章術で伝えるべき事項への漏れがないという印象もあります。
つまり、感性での選択でなくデーターに基づいた選択なので、抜けがなく且つ信頼性を高く感じさせる物に出来上がっていると思います。

この本の作成コンセプト「100冊に共通する文書術ノウハウのリスト化そしてランキング化」方式が、『「文書術の王道・基本」となれる』方式であったと感じています。

文章を作る人にとって、「文書術の基本」となる本がある事は、文書の生産性(特に時間短縮)に大きく寄与してくれるメリットがあると思います。
文書作りの際に出て来る疑問に直ぐ対処できるので、素早く文書が完成します。
そこで浮いた時間は、推敲の時間に投入出来るので、文章全体の品質を上げることが可能となります。
その結果、文書作りの全体が良循環し、仕事が回るようになります。
良い事ずくしの環境が出来上がるということです。

この本の著者:藤吉豊氏、小川真理子氏は長年文書の編集にたずさわり、現在「文書の書き方」と「書く楽しさ」を伝える会社(㈱文道)の経営をしております。
その長年にわたりつちかわれた視点も、この本の力を生む源泉になっていると感じました。

「たかが文書術本、されど文書術本」で、特にこれから文書作りに関わる人にとっては大きな力となると思います。
買わずとも一度は目にして検討して欲しい本として推奨いたします。

文書の価値は、内容にある。
でも、それは違和感なく表現出来る事で成り立つ。
その意味で、文章作成技術を身に付けることは重要。
そう思います。

2021年6月13日記

本の明細
著書名:「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
著者名:藤吉 豊 小川真理子
発行:日経BP
第1刷発行日:2021年1月12日
定価:1500円+税





Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です